【2025健康経営企業訪問】富士フイルムホールディンクス株式会社訪問レポートextracurricular activities

  こんにちは。2025年健康経営訪問プロジェクト1日目の2か所目富士フイルムホールディンクス株式会社のレポートを担当させていただくこととなりました、ビューティ&ウェルネス専門職大学(Professional University of Beauty & Wellness)2年生の永原千夏です。

  2025年8月18日午後、健康経営訪問プロジェクト初日の午後の訪問先として、東京都港区にある富士フイルムホールディンクス株式会社本社を訪問いたしました。

同日は、前半パートで健康経営銘柄企業の一つとして現在同社が行っている従業員の健康増進の取り組みや、その根底の理念についてお話をいただきました。後半パートでは、富士フイルム社員も参加して、意見交換を行いました。

(富士フイルム株式会社本社の外観)

初めに富士フイルム株式会社の概要についてです。

  富士フイルムグループの源流は1934年、大日本セルロイド株式会社の写真フィルム部を分離継承する形で始まりました。その後2000年代に入りフィルムカメラ需要の縮小に伴う急激な市場環境の変化に見舞われましたが、長年築いてきたフィルム技術を活用した異業種へ大幅な事業拡大を行い、様々な分野で成果を上げてきました。現在では主に「ヘルスケア」「ソリューション」「エレクトロニクス」「ビジネスイノベーション」の事業領域で優れた製品・サービスの提供を行っています。

 

  そんな富士フイルムグループは、「地球上の笑顔の回数を増やしていく。」をグループパーパスに掲げ、その実現に向けた価値創出の源泉は従業員であると考えているそうです。そのため心身ともに健康で意欲高く働く従業員を育むため、従業員の健康増進においては「予防」、「早期発見」、「徹底的なフォロー」に会社が積極的に関与する取り組みを行っています。

富士フイルムグループパーパス(同社ホームページより)

  「予防」についても、がん対策や長時間労働対策、メンタルヘルス対策等幅広く取り組まれています。中でも特徴的な取り組みの一つとして「7つの健康行動」の制定が挙げられます。「7つの健康行動」は気軽に日々取り組める健康づくりのためのアクションであり、継続して実行することがパフォーマンス発揮度/ワークエンゲージメントの向上につながるため、従業員に積極的に実践するよう呼び掛けています。また、「7つの健康行動」のうち1つに「直近の歩活(あるかつ)にエントリーする」というものが挙げられていますが、国内富士フイルムグループでは2017年度から春と秋の年2回、ウォーキングイベントを実施しており、今では従業員の約7割(2.8万人)が参加する一大イベントとして、多くの人が楽しみながら健康づくりに取り組んでいるそうです。生活習慣対策活動及び「7つの健康行動」に関する詳しい情報は健康経営の主な取り組み | 富士フイルムホールディングス株式会社https://holdings.fujifilm.com/ja/sustainability/activity/health/priority-issue-5/effortからご覧いただけます。

 

  他にも富士フイルムが行われている取り組みを、様々ご説明いただきました。富士フイルムは「従業員の健康は個人の問題ではなく職場の問題である」との考えのもと、他医療機関との連携やITを活用した健康状態管理システム、グループ会社ごとの健康課題を可視化して各社経営層と共有するための健康通信簿などトータルサポートを実現しておられます。詳細に関しては【重点課題5】健康経営の推進 | 富士フイルムホールディングス株式会社】https://holdings.fujifilm.com/ja/sustainability/activity/health/priority-issue-5よりご覧いただけます。

 

  後半パートのグループディスカッションは、「若年層への健康経営の周知・浸透を進めるために、産官学それぞれが果たすべき役割、および連携のあり方」のテーマで、3グループに分かれて行いました。

  企業間での認知向上に伴い、健康経営優良法人の認定企業数も大幅に増加している健康経営ですが、一方で若年層の認知度が低いという課題が挙げられます。健康経営に対する認知度向上により健康的な職業生活の形成につながるのみならず、投資家や就職活動者にとっての新たな企業価値の確立も期待できるので、非常に重要な課題です。これについて各チームの多様な立場・経験をお持ちの参加者で意見を交わしました。

 

まず、全てのグループで「健康経営について若年層への周知・浸透が進まない原因」について

  1. 健康経営を知る機会や情報が少ないこと 
  2. 若者のヘルスリテラシーの低さ 

の2つが挙げられました。若年層が企業を知る機会は主に「就職時のキャリア支援センター」、「キャリア支援学習」、「民間のリクルートサイトやインターンシップ」の3つであることに対し、健康経営を管轄している経済産業省はこれらに直接的なかかわりを持ちません。また、病気の自覚症状など自分の身体で健康課題を感じた経験がまだない場合も多い若者が自身でヘルスリテラシーを身に着けることは困難であるため、ヘルスリテラシーを育てる学習機会も必要となります。

  私の参加したグループでは、各省庁との連携によって教育機関におけるキャリア支援センターやキャリア学習、企業との連携によってリクルートサイトやインターン等で広報をするという方法などが挙げられました。前述の通り、これらはそれぞれ管轄する機関が異なっています。キャリア教育は文部科学省、キャリア支援センターはハローワークから情報を得ることが多いため厚生労働省が情報源に、リクルートサイトやインターンシップは民間企業が行っているため、経済産業省による健康経営の情報は伝わりづらいのが現状の課題です。そのため、各機関との連携を強化し情報掲載をすることが、健康経営の周知・浸透につながるのではないかと考えました。

 

  参加いただいた産官学様々な立場・経験を持たれる方々のご意見は非常に興味深く、貴重な勉強になりました。ありがとうございました。

 

  今回の訪問では、富士フイルムグループは新たな製品やサービスを作る価値創造の源泉は従業員であるため、従業員の健康は重要な経営課題の一つであるというお考えのもとに、従業員の健康に積極的に取り組んでいると感じました。また、健康投資は単なる支出ではなく、リターンを前提とした投資であることが挙げられますが、富士フイルムグループの取り組みには特に従業員のパフォーマンスに投資する健康習慣の推進が重視されていたように感じました。これらの取り組みにより、投資家や就職活動生にとっての企業価値が向上することや従業員が在職中や退職後も豊かな人生を送ること、およびその活躍に関する認知が世間や社内に広まることで健康経営が進んでいくこととなるでしょう。

 

  最後になりますが、お忙しい中受け入れていただき、貴重なお話しをしていただきました富士フイルムホールディンクス株式会社、ご協力いただきましたこと厚く御礼申し上げます。

(全体での記念写真)

※「#健康経営® 」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です

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