【2025健康経営企業訪問】中西金属工業(株)訪問レポートextracurricular activities
こんにちは。2025年健康経営訪問プロジェクト、中西金属工業のレポートを担当させていただくこととなりました、ビューティ&ウェルネス専門職大学(Professional University of Beauty & Wellness)2年生の永原千夏です。
2025年8月21日午後、健康経営訪問プロジェクト4日目のプログラムとして大阪府大阪市にある中西金属工業本社を訪問いたしました。

(本社外観)
中西金属工業はベアリングリテーナー等金属製品の製造・販売を主軸として、木質バイオマスガス化発電を行うNKCながいグリーンパワーや旅行代理店事業を手掛けるISAトラベル(中西興産株式会社)など新しいチャレンジをし続けている企業です。常に大胆な挑戦を可能にするため非上場経営を貫く中西金属工業は、健康経営においても独自性にあふれた取り組みを様々されています。今回の訪問では健康経営への取り組みやそのきっかけについてご講義いただいた後、社内にある食堂やジムなどを見学させていただきました。
中西金属工業が健康経営に視野を向けたきっかけは2005年、社内食堂をリニューアルしたことでした。前年まで給食を委託していた企業で発生した食中毒事件を受け、「人は食事が基礎。会社には安全な食事の提供義務がある。」という考えのもと「給食改善検討会」が発起されました。当初は衛生の向上を目的としていましたが、大阪府が定める野菜・油・塩の基準を満たすメニューの認定制度「V.O.Sメニュー」の申請等を通し、次第に健康への取り組みが増えていきました。「給食改善等議会」は2019年に「ウェルネス会議」改名し、運動や睡眠の支援による健康寿命を延伸することを目的とする、健康経営の柱のような存在となりました。
その取り組みは、社内食堂の改善の他にも健康に関するセミナーやウォーキングイベント、健康データの測定イベントの開催など幅広く、従業員の健康をトータルケアできるよう整えられています。中でも主要な健康施策の1つであるウェルネスPDSAプログラムでは、健康3大要素である「休養」「栄養」「運動」を体系的にとりいれた健康づくり習慣化サポートを行っています。名称に含まれているPDSAとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Study(学習)」「Act(活動)」の略称で、参加者各自が自主的に継続することを指しています。運営を委託している株式会社リルアナの専属管理栄養士とパーソナルトレーナーが参加者1人ひとりを分析しパーソナルプランを提供することにより食べ物の好き嫌いなどを加味した低ハードルの健康タスクが用意でき、健康づくり行動の習慣化につながっています。
また中西金属工業では、従業員のヘルスリテラシー向上を効果的に促進しています。社内には健康経営に関するポスターはもちろん血圧計や体組成計といった測定機器が設置されており、健康に気を配るきっかけを提供しています。特に食堂メニューの栄養に関する意識付けには力を入れており、ポスターやポップの他にその日の食堂メニューを確認することができる社員専用サイトの作成なども行っています。また、様々なイベントやセミナーにも、参加者に対しチャレンジ報酬を用意することで楽しく取り組むことができるよう配慮されており、その結果ウォーキングイベントの参加率は全体の57%にのぼります。その他中西金属工業の健康経営の取り組みについては、下記からご覧いただけます。https://www.nkc-j.co.jp/eco_csr/social/
中西金属工業は2025年4月に「NKCウェルビーイング経営宣言」を公表し、「ウェルネス会議」を「ウェルビーイング推進会議」として再編しました。従業員1人ひとりの幸福(ウェルビーイング)を追求する「ウェルビーイング経営」では、これまで行ってきた健康に関する取り組みを基礎として、身体的・精神的・社会的な健康及び働きがいを感じられる状態を目指します。すべてのグループ会社にウェルビーイング経営推進委員会を設置して定期的な訪問を行うなど、会社が自ら「社員の幸せ」に向き合う経営が始まっています。詳細は下記からご覧にいただけます。https://www.nkc-j.co.jp/sustainability/social/wellbeing-management/
また今回の訪問では、従業員の健康増進に関する様々な工夫が取り入れられている本社施設の一部を見学させていただきました。本社内にはジムやリラックススペースがあり、隙間時間を活用した「運動」「休養」が可能です。リラックススペースは木目を基調とした開放感のある作りになっており、飲み物や本とともに心身を癒すことができます。また、併設されたペットスペースに住む猫たちは、従業員たちに癒しを与える「アニマルセラピー」の役割も果たしてくれています。ジムにはウォーキングマシン等大きなトレーニングマシンも用意されており、ウェルネスPDSAプログラムの課題にも取り組むことができるそうです。この見学により、整った施設により従業員の健康行動の定着が促進されていることを実感いたしました。お忙しいなかご丁寧に案内していただきありがとうございました。

(見学の様子 リラックススペース)

(見学の様子 ジム)
今回の訪問を通して、中西金属工業は革新的な発想と従業員の健康に対する積極的な関与により、健康寿命の延伸に効果的に取り組まれていると感じました。また、社員の健康で幸福な生活に対する熱意に加え、それらを支える組織体制の適正化や地道な社内周知活動が非常に印象的でした。中西金属工業がつくる新しい形の健康経営は、日本の健康経営およびウェルビーイングにとって良い刺激となり、今後の更なる振興につながると強く感じました。
最後になりますが、お忙しい中訪問を受け入れ、貴重な機会をご用意いただきました中西金属工業の皆様に心より御礼申し上げます。

(全体での集合写真)
※「#健康経営® 」は、NPO法人健康経営研究会の登録商標です