教員紹介Teacher

本田 善一郎【学生部長/教授】

本田 善一郎【学生部長/教授】ホンダ ゼンイチロウ

教員

担当科目
ビューティ&ウェルネス入門/ヘルスプロモーション各論(事例検討およびシミュレーション)/リスク管理/ウェルネス推進のための臨床医学的基礎/救急法
専門分野
膠原病・アレルギー内科学/炎症学/健康科学

博士(医学)
医師 総合内科専門医 リウマチ専門医・指導医
お茶の水女子大学 客員教授 名誉教授

Message

ひとの美しさやひとと直接に接することに関心があり、美しさ、施術を通してウェルネス(ひとの幸せ、健康、望ましい状態)を実現することに興味を惹かれる人を歓迎します。
興味の対象はどのような(小さな)ものであってもよく(例えばネイルアートで癒される、ということでも)、あなた方一人一人の具体的な興味をきっかけとして学習に入り本学の授業、実習を通してあなたらしい、広く大きな人間理解、自然の理解に到達することができると期待しています。
ビューティ&ウェルネス学はこれから創り出す新たな、多面的な総合知であり、理系、文系、芸術系など、どのような分野に適性がある人も参加することができる、個性を発揮できる分野です。本学に入学して得意分野をさらに伸ばし、やや不得意な分野でも優れた教師スタッフの指導で理解を深めていくことで、これまでにない知的な喜びを感じることができるはずです。

プロフィール

経歴

経歴

東京大学医学部医学科を卒業後、同附属病院物療内科(現アレルギー・リウマチ内科)に入局し、専門臨床に従事するとともに、生化学教室にて基礎研究を行った。世界で初めて脂質メディエーター受容体(血小板活性化因子受容体)の遺伝子クローニングを成功させるなど、脂質・炎症・疾患遺伝子多型をテーマに研究を進めてきた。

東京大学医学部附属病院講師を経て、2012年にお茶の水女子大学教授・保健管理センター所長に就任。一般・専門臨床、基礎医学研究を継続しつつ、大学生のメンタルヘルスに重点的に取り組み、調査や統計学的解析を通じて研究を深めた。

2020年から2023年にかけては、お茶の水女子大学における新型コロナウイルス感染症対策を主導し、感染対策の策定、個別症例への対応、全学生・教職員のワクチン接種体制の構築を担った。また、2020年1月からは同大学ホームページを通じて全国的な情報発信を行い、東京大学や東京学芸大学など複数大学の公式サイトからのリンクを受けるなど、高等教育機関における感染症情報発信に貢献した。

これまでにお茶の水女子大学教授・保健管理センター長、同大学特任教授・保健管理センター長を歴任し、東京学芸大学特命教授も兼任した。現在は、ビューティ&ウェルネス専門職大学教授として教育・研究に携わるとともに、お茶の水女子大学客員教授・名誉教授を務めている。

研究活動・社会活動

研究活動・社会活動

研究では、脂質・炎症・疾患遺伝子多型に関する基礎医学、内科学研究に加え、大学生のメンタルヘルスに関する調査研究に重点的に取り組んでいます。調査や統計学的解析を通じて、学生の健康課題を明らかにし、予防や支援につなげることを目指しています。

社会的な活動としては、新型コロナウイルス感染症への大学全体の対応を主導した経験を活かし、感染症対策やワクチン体制の構築、情報発信などを行ってきました。今後も教育・研究活動を通じて、社会や学生の健康を支えることに力を注いでいきます。

教育内容・研究内容

教育内容・研究内容

担当講義は、ビューティ&ウェルネス入門(オムニバス講義の1回)、ヘルスプロモーション各論、ウェルネス推進のための臨床医学的基礎、救急法、病態生理学です。ゼミ形式の総合演習Ⅰを受け持っています。これらは医学に関する内容を多く含み、我々は医療そのものを行うことはできませんが、体系的に医学を理解することは施術、化粧品開発のいずれにおいてもとても大切です。

施術を受ける人はどのようなバックグラウンドを持つのか(プロファイリングとも言われます)を知ることはどの様な施術がその人に最も相応しいのか、あるいは行ってはならないのか(禁忌と言われます)を判断する上で重要になります。このようなテーラーメード(その人ごとに設計される)技術と呼ばれる考え方は医療においてすでに発展し実現されており、施術においても同様の方法論が導入されていくと考えられます。

また、施術を受けることでその人がどのようにウェルネス(ひとの幸せ、健康、望まれる状態)に導かれるのか、そのプロセスは医学的な、あるいは脳科学的な過程であり、その人の中でどのような科学的な現象が生じているのかを理解することはとても興味深いですし、より優れた、創造的な施術を考える上での道標となるものです。

これらの多面的な知識、理解を楽しく、あまり難しさを感じずに会得することができるように、毎回の授業では簡単なクイズ(Google Form)を行って知識を呼び覚まし、その流れの中で、動画を含めた双方向的な授業を行ない、学生さんの理解を促す様に心がけています。

いつも無理なく、楽しく授業を受けることが大切であり、積極的に発言したい人も、静かに授業を聞きたい人も、どちらのタイプの人にもフィットする様に、授業をアレンジすべく心がけています。

現在の研究テーマは以下のとおりです。

  • 炎症、免疫受容体の構造機能相関
  • 大学生のメンタルヘルスに関する調査、統計学的研究

 

以下のような成果を目指して、研究を続けています。

  • 炎症、免疫受容体の構造機能相関を原子レベル(atomic level)で理解すること、その知識から新たな抗炎症薬剤のメカニズムを提唱することを目標としています。
  • 発達障害、摂食障害、気分障害は大学生の生活の質や履修、就職を妨げる主要な原因となっています。これらの障害と性格特性との関連を明らかにし、不適応が生じる条件を解明することで、個々人に最もあった支援を見出すことを目標としています。
論文発表(抜粋)

論文発表(抜粋)

  1. 山崎 恵, *本田 善一郎
    自閉症スペクトラム障害傾向を持つ女子大学生の精神的健康度に対するソーシャルサポートの影響
    大学のメンタルヘルス 6, 94-100, 2024.
  2. Fuse-Nagase Y., Marutani T., Watanabe K-i., Kono Y., Yamazaki M. & Honda Z.
    Negative life events are associated with risk of mental illness among Japanese university students
    PCN Rep. 2, e78, 2023
    掲載ページ
  3. 山崎 恵, *本田 善一郎
    With Corona における学生定期健康診断の経験
    Campus Health 58, 49-57, 2023
    掲載ページ
  4. Ueda T., Nakata Y., Nagamachi A., Yamasaki N., Kanai A., Sera Y., Sasaki M., Matsui H., Honda Z., Oda H., Wolff L., Inaba T., Honda H.
    Propagation of trimethylated H3K27 regulated by polycomb protein EED is required for embryogenesis, hematopoietic maintenance, and tumor suppression.
    Proc Natl Acad Sci U S A 113, 10370-5, 2016
    DOI
  5. Tazaki T., Sasaki T., Uto K., Yamasaki N., Tashiro S., Sakai R., Tanaka M., Oda H., *Honda Z., *Honda H.
    p130Cas, Crk-associated substrate plays essential roles in liver development by regulating sinusoidal endothelial cell fenestration.
    Hepatology 52, 1089-99, 2010
    掲載ページ
  6. Kono H., Kyogoku C., Suzuki T., Tsuchiya N., Honda H., Yamamoto K., Tokunaga K., *Honda Z.
    Fc gamma RIIB Ile232Thr transmembrane polymorphism associated with human systemic lupus erythematosus decreases affinity to lipid rafts and attenuates inhibitory effects on B cell receptor signaling.
    Hum. Mol. Genet. 14, 2881-2892, 2005
    掲載ページ
  7. Honda H., Oda H., Nakamoto T., Honda Z., Sakai R., Suzuki T., Saito T., Nakamura K., Nakao K., Ishikawa T., Katsuki M., Yazaki Y., Hirai H.
    Cardiovascular anomaly, impaired actin bundling and resistance to Src-induced transformation in mice lacking p130(Cas).
    Nat. Genet. 19, 361-365, 1998
    掲載ページ
  8. Honda Z., Takano T., Hirose N., Suzuki T., Muto A., Kume S., Mikoshiba K., Itoh K., Shimizu T.
    Gq pathway desensitizes chemotactic receptor-induced calcium signaling via inositol tris phosphate receptor desensitization.
    J. Biol. Chem. 270, 4840-4844, 1995
    掲載ページ
  9. Honda Z., Takano T., Gotoh Y., Nishida E., Ito K., Shimizu T.
    Transfected platelet-activating-factor receptor activates mitogen-activated protein (MAP) kinase and map kinase kinase in chinese-hamster ovary cells.
    J. Biol. Chem. 269, 2307-2315, 1994
    掲載ページ
  10. Honda Z., Nakamura M., Miki I., Minami M., Watanabe T., Seyama Y., Okado H., Toh H., Ito K., Miyamoto T., Shimizu T.
    Cloning by functional expression of platelet-activating-factor receptor from guinea-pig lung.
    Nature 349, 342-346, 1991
    掲載ページ

その他の論文については下記をご覧ください
Google Scholar 本田善一郎

著書

著書

英文著書

  1. Honda Z., Shimizu T.
    Lipid mediators in defence mechanisms
    edited by E. Sim
    The Natural Immune System, Humoral Factors, Oxford University Press, pp337-369, 1993
  2. Shimizu T., Honda Z., Miki I., Seyama Y., Izumi T., Radmark O., Samuelsson B.
    Potato arachidonate 5-lipoxygenase – purification, characterization, and preparation of 5(s)-hydroperoxy-eicosatetraenoic acid
    edited by R. C. Murphy, F. A. Fitzpatrick
    Methods in Enzymology, 187 Arachidonate Related Lipid Mediators, Elsevier, pp296-306, 1990

和文著書

  1. 本田善一郎
    免疫系
    新スタンダード栄養・食物シリーズ3 解剖・生理学
    飯田薫子、石川朋子、近藤和雄、背山洋介 編
    東京化学同人, 2015年, pp171-183
  2. 本田善一郎
    生体の恒常性と調節機能
    新スタンダード栄養・食物シリーズ2 生化学
    大塚譲、背山洋介、藤原洋子、本田善一郎 編
    東京化学同人, 2015年, pp201-232
  3. 本田善一郎
    免疫・アレルギー疾患
    新スタンダード栄養・食物シリーズ4 疾病の成り立ち
    飯田薫子、近藤和雄、背山洋介 編
    東京化学同人, 2016年, pp279-311
  4. 本田善一郎
    PAF受容体 構造と機能
    Annual Review呼吸器
    中外医学社, 1994年, pp58-64
  5. 本田善一郎
    PAF受容体cDNAの発現クローニング
    新生化学実験講座 第2巻
    東京生化学同人, 1992年, pp170-179
講演実績

講演実績

  • 2017年5月/Pasco × お茶の水女子大学 健康教室/『ライフステージから考える病気の予防と治療』
  • 1999年10月/日本アレルギー学会/『マスト細胞IgE受容体, インテグリン受容体機能を媒介するSrc型チロシンキナーゼ』
  • 1995年10月/日本アレルギー学会/『シグナル開始と終結の分子機構』
  • 1995年4月/日本医学会総会学術講演/『PAF受容体の構造と機能』

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