南沢 享【教授】ミナミサワ ススム

経歴

最終学歴

• 1984年　弘前大学医学部卒業（医学士）

• 1995年　横浜市立大学にて博士（医学）

職歴

• 1984年　横浜市立大学医学部病院 臨床研修医

• 1993年　鶴見大学歯学部生理学教室 助手

• 1996年　カリフォルニア大学サンディエゴ校 留学

• 2000年　東京女子医科大学 特任助手（心臓血圧研究所）

• 2002年　横浜市立大学医学部 講師（循環制御医学）

• 2004年　横浜市立大学医学部 准教授（循環制御医学）

• 2007年　早稲田大学先進理工学部 教授（生命医科学科）

• 2012年　東京慈恵会医科大学 教授（細胞生理学）

• 2024年　東京慈恵会医科大学 名誉教授

• 2024年　ビューティ＆ウェルネス専門職大学 教授

現在の役職

• 放送大学 客員教授

• 東京医科大学 客員教授

• 日本宇宙航空環境医学会 理事

• 公益財団法人 宮田心臓病研究振興基金 理事

研究活動・社会活動

心臓や血管の構造や機能が成り立つ仕組みを研究しています。特に、出生時に胎児が母親から離れて新生児として独立して生命活動を営むときに生じる大きな血行動態の変化に対して、新生児が適応する機序に重点をおいた研究活動を展開しています。

少子化の社会にあって、生まれてきたこども達が健康に過ごせる社会を目指したいと思っています。

教育内容・研究内容

人体構造学では、学生が将来、美とウェルネスに関わる職業人として必要となる解剖学的基礎知識の習得を主要な目標としています。人体には、ある機能を正しく働かせるために、その働きに適した特有の「かたち（構造）」が備わっています。美とウェルネスに関わる仕事では人体に触れて施術を行うことが多いため、構造をよく理解し、科学的根拠に基づいた施術を行うことが大切です。

衛生学・公衆衛生学では、公衆衛生学の理念と目的を学び、集団の健康問題から個人の健康問題への対応（オーダーメイド予防医学）、社会医学の役割と実際について理解を深めます。公衆衛生学は保健医療の骨組みをなす学問であり、これを学ぶことで社会全体を見渡す視点を持ち、その中でセラピストとしての役割を理解してほしいと考えています。内容としては、健康の概念、予防医学の基礎・健康増進から始まり、感染症対策、ライフサイクルに応じた母子保健、学校保健、産業保健、成人・高齢者保健、精神保健、地域保健、国際保健、環境衛生といった分野を幅広く学びます。さらに、社会保障や保健医療福祉の制度、医療法や医療安全についても学び、将来セラピストとして現場で柔軟に対応できる力を養います。

研究テーマとしては、心臓や血管の構造や機能がどのように成り立つのかを研究しています。特に、出生時に胎児が母体から離れ、新生児として自立して生命活動を営む際に生じる大きな血行動態の変化に対し、新生児がどのように適応するのかという機序に重点を置いた研究を行っています。少子化社会にあって、生まれてきた子どもたちが健康に過ごせる社会の実現を目指しています。

論文発表（直近10年）

• 104) Yasuda S, Higano S, Ishiyama A, Ono Y, Kajimura I, Minamisawa S. Magnetocardiograms early detection of pulmonary arterial hypertension using inverse problem analysis in rat model. Conf Proc IEEE Eng Med Biol Soc 2015; 4475–4478. doi:10.1109/EMBC.2015.7319388.
• 105) Kobirumaki-Shimozawa F, Oyama K, Shimozawa T, Mizuno A, Ohki T, Terui T, Minamisawa S, Ishiwata S, Fukuda N. Nano-imaging of the beating mouse heart in vivo. J Gen Physiol 147(1): 53–62, 2016. doi:10.1085/jgp.201511484.
• 106) Shimura D, Kusakari Y, Sasano T, Nakashima Y, Nakai G, Jiao Q, Jin M, Yokota T, Minamisawa S (correspondence). Heterozygous deletion of sarcolipin maintains normal cardiac function. Am J Physiol Heart Circ Physiol 310(1): H92–H103, 2016. doi:10.1152/ajpheart.00411.2015.
• 107) Kajimura I, Akaike T, Minamisawa S (correspondence). Lipopolysaccharide delays closure of the rat ductus arteriosus by induction of inducible nitric oxide synthase. Circ J 80(3): 703–711, 2016. doi:10.1253/circj.CJ-15-1053.
• 108) Minamisawa S. 動脈管閉鎖の分子機序解明にむけて. 日本小児循環器学会雑誌 32(1): 2–8, 2016. （総説）doi:10.9794/jspccs.32.2.
• 109) Fujimoto Y, Urashima T, Shimura D, Ito R, Kawachi S, Kajimura I, Akaike T, Kusakari Y, Fujiwara M, Ogawa K, Goda N, Ida H, Minamisawa S. Low cardiac output leads hepatic fibrosis in right heart failure model rats. PLoS One 11(2): e0148666, 2016. doi:10.1371/journal.pone.0148666.
• 110) Onda A, Kono H, Jiao Q, Akimoto T, Miyamoto T, Sawada Y, Suzuki K, Kusakari Y, Minamisawa S, Fukubayashi T. New mouse model of skeletal muscle atrophy using spiral wire immobilization. Muscle Nerve 54(4): 788–791, 2016. doi:10.1002/mus.25202.
• 111) Shimura D, Nakano A, Minamisawa S (correspondence). Sarcolipin in atrium-specific gene targeting. Cardiovasc Regen Med 3: e1297, 2016. （総説）doi:10.14800/crm.1297.
• 112) 赤池徹、梶村いちげ、横山詩子、南沢享. 動脈管閉鎖のメカニズム—分子機序に基づく治療への再考—. 日本小児科学会雑誌 120(10): 1444–1452, 2016.（総説）
• （113〜139は省略）
• 140) Liu N, Kawahira N, Nakashima Y, Lü P, Tei I, Taniguchi H, Yokoyama U, Kato T, Minamisawa S, Nakano A. Notch and retinoic acid signals regulate macrophage formation from endocardium downstream of Nkx2-5. Nat Commun 14(1): 5398, 2023. doi:10.1038/s41467-023-41039-6.
• 141) Tanihata J, Minamisawa S. Urinary titin is not an early biomarker of skeletal muscle atrophy induced by muscle denervation in mice. PLoS One 18(8): e0289185, 2023. doi:10.1371/journal.pone.0289185.
• 142) Ihara K, Iwamiya S, Ikuta M, Soejima Y, Hiraoka Y, Nakano A, Minamisawa S, Furukawa T, Kuroyanagi H, Sasano T. Cytoplasmic mutant RBM20 causes arrhythmogenicity in murine atria. J Mol Cell Cardiol 205: 1–12, 2025. doi:10.1016/j.yjmcc.2025.06.001.
• 143) Baba S, Shinjo S, Seya D, Bochimoto H, Akaike T, Nakano A, Minamisawa S (correspondence). Transgenic mice overexpressing Pitx2 in the atria develop tachycardia-bradycardia syndrome. PLoS One 20(9): e0330397, 2025. doi:10.1371/journal.pone.0330397.

※その他の論文については 南沢教授の全業績一覧（PDF） をご覧ください。

著書（2018〜2024）

• 25) 古川哲史、南沢享. 心筋と骨格筋のメカノセンシング. 曽我部正博（編集）疾患に挑むメカノバイオロジー. 羊土社、pp.166-171, 2020/5/1.
• 26) 横山詩子、南沢享. 動脈管の発生・閉鎖とその異常. 山岸敬幸、白石公（編集）先天性心疾患を理解するための臨床心臓発生学. メジカルビュー社、pp.223-228, 2021/2/13.
• 27) 南沢享、横山詩子. 動脈管開存症. 山岸敬幸、白石公（編集）新先天性心疾患を理解するための臨床心臓発生学. メジカルビュー社、pp.229-230, 2021/2/13.
• 28) 南沢享. 循環器系. 鯉淵典之 (監修, 翻訳), 栗原敏 (監修, 翻訳) イラストレイテッド生理学 原書2版 (リッピンコットシリーズ). 丸善出版, 全662ページ, 2021/5/6. ISBN 978-4758114400.
• 29) 南沢享. 循環器系. 岡田隆夫（編集）カラーイラストで学ぶ 集中講義 生理学 第３版. メジカルビュー社、pp.158-193, 2022/3/1.
• 30) 佐久間康夫、鯉淵典之、安倍博、安西尚彦、泉﨑雅彦、上田陽一、岡村康司、神谷温之、黒澤美枝子、小山なつ、近藤保彦、酒井秀紀、中島昭、林由起子、南沢享、箕越靖彦. 生理学用語ハンドブック. 日本生理学会監修、日本生理学会用語委員会編、丸善出版, 全324ページ, 2024/3/29. ISBN 978-4621309087.
• 31) 南沢享. 微細構造. 日本小児循環器学会（編集）小児・成育循環器学 改訂2版. 診断と治療社、pp.12-16, 2024/7/31. ISBN 9784787826329.
• 32) 南沢享（編集）. PT・OTビジュアルテキスト専門基礎 生理学. 全335ページ, 2024/12/23. ISBN 978-4758114400.

※それ以前の著書については 南沢教授の全業績一覧（PDF） をご覧ください。

講演実績（2019〜2024）

• 47) Minamisawa S. Prostaglandin E2 promotes vascular remodeling of the ductus arteriosus. 31st Annual Cardiologists Conference. Rome, Italy, June 17th-19th, 2019. (招待講演)
• 48) 南沢享．肺静脈の発生と血管特性の成立機序の解明．第33回東京循環器小児科治療Agora. 東京（ハイブリッド開催）. 2022年10月. （特別講演・口頭）
• 49) 南沢享．日本生理学会教育委員会がやるべきこと、やりたいこと．第100回日本生理学会大会. 京都. 2023年3月16日. （シンポジウム、口頭）
• 50) 鯉淵典之、中島昭、椎橋実智雄、南沢享．（シンポジウム）生理学教育において日本生理学会が果たしてきた役割．第100回日本生理学会大会．京都．2023年3月16日. （シンポジウム、口頭）
• 51) 南沢享．心筋筋小胞体カルシウムポンプの制御機序＿いかに臨床につなげるか．第44回日本循環制御医学会総会・学術集会. 弘前. 2023年7月1日. （シンポジウム、口頭）
• 52) 南沢享．心房・静脈洞特異的Pitx2c遺伝子改変マウスと肺静脈・洞房結節形成．生理研研究会「炎症・免疫系と心血管系の相互作用から切り拓く循環生理機能の解析」. 岡﨑. 2023年10月12日. （特別講演）
• 53) 南沢享．その講義、要りますか？ 第101回日本生理学会大会. 北九州．2024年3月. （シンポジウム、口頭）
• 54) 南沢享．心血管の発達生理．第101回日本生理学会大会. 北九州．2024年3月．（教育講演、口頭）

※それ以前の講演については 南沢教授の全講演実績（PDF） をご覧ください。

受章歴

• 横浜市立大学医学会賞（2003年4月19日、横浜市立大学医学会）
• 梅原賞　（2010年8月9日、横浜総合医学振興財団）
• 第１回日本小児科学会学術研究賞（2011年、日本小児科学会）
• 第４回「日本小児循環器学会高尾賞」（2014年、日本小児循環器学会）
• 日本宇宙航空環境医学会　功労賞　（2024年、日本宇宙航空環境医学会）